『血便•検便反応陽性』とはどういう事?

血便または検診等で行う検便反応陽性の原因には腫瘍、潰瘍、大腸憩室、大腸ポリープ、痔などがあります。腫瘍は良性なら心配ありませんが、悪性腫瘍(大腸がん)は早期治療が必要になります。また上部潰瘍には胃・十二指腸潰瘍からの出血は黒くなるのが特徴です。そのほか粘血便または新鮮出血の場合には大腸腫瘍または炎症性腸疾患が考えられ、代表的なものに潰瘍性大腸炎、クローン病があります。いずれも早期治療が必要な疾患で悪化する前に治療を開始するタイミングが大事になります。

また、検便反応で発見された大腸ポリープは形や大きさにもよりますが当院にて日帰り手術(内視鏡的ポリープ切除)が可能です。大腸ポリープも∅20mm大きくなると悪性化するケースがありますので早期発見が大事になります。

いずれの場合も異常所見を発見したら病気のシグナルと考えられますから速やかに原因を明らかにし、治療を行う事が必要です。

当院にての症例

75歳男性

検診にて検便反応陽性を指摘される。自覚症状は特になし。大腸内視鏡検査施行しS状結腸に∅25mmのポリープを確認する。同時に内視鏡にてポリープ切除術を施行する。病理結果は良性のポリープ(腺腫)でした。当院にてはポリープの日帰り手術が可能です。

65歳女性

人間ドックにて便潜血反応陽性を指摘されるが放置。その後、排便時に血液の付着を肉眼的に確認すようになる。大腸内視鏡検査施行しS状結腸に∅40mmの隆起性病変を確認する。組織検査にて大腸がんの診断となり関連病院に紹介。進行癌ではあるものの癌は局所に留まっており、開腹手術は施行せず、腹腔鏡(腹部に数カ所の内視鏡用の孔を空け手術する方法)にて根治手術施行。現在は病気の進行程度にもよりますが技術の進歩により腹腔鏡(内視鏡を用いた)の手術による適応範囲が広がっております。