『胸やけ』とは?

『胸やけ』の原因は胃酸が食道に逆流して生じる症状です。胃液は食べ物を消化するために強い塩酸が含まれてます。食道の粘膜はもともと中性でこの胃酸に弱く、胃液の食道への逆流によって胸が焼けるような感覚をおぼえます。この原因は胃と食道のつなぎ目の所に胃液の逆流を抑えるための食道括約筋がうまく働かず胃酸の逆流によって症状が出現します。

(原因)

  • 過食・脂っこい食べ物・アルコールなどによる食事方法によるもの。
  • 肥満・妊娠等の体型が原因となるもの。
  • 食道括約筋が緩むことにより逆流が起こる『食道裂孔ヘルニア』等の解剖学的異常によるもの等が考えられます。

『胸やけ』の症状がある病気

逆流性食道炎(GERD):胃酸の逆流がかさなり食道の粘膜が炎症を起こしびらんや潰瘍を形成します。ただし内視鏡検査上も粘膜面に異常所見を認めず咽頭違和感、げっぷ等の症状のみの場合も多く認めます。治療の基本は胃酸を抑える薬の内服ですが、食生活の改善も重要な部分です。

食道腫瘍(良性・悪性):食道にも‘できもの’が発生します。この場合にも上記のような症状が出現しますが、腫瘍が大きくなるにつれて食物の通過障害を自覚するようになります。早急な治療が必要な状態です。

当院にての症例

62歳女性

1年前より胸焼けと食事時の嘔気を認めるようになるが放置。内視鏡検査施行にて食道下部にびらん面(胃酸の逆流により炎症を起こした粘膜)認めました。逆流性食道炎の診断にて制酸剤(PPI)の投与を行い1週間にて症状が改善しました。